導入事例
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融資・ファクタリング

AIとオンラインデータで、中小事業者へ新たな融資の可能性を

レンディ
代表取締役 内山 誓一郎 氏
2018
07
06
この事例で使用されている金融サービス:
銀行口座(個人)
銀行口座(個人)
銀行口座(法人)
銀行口座(法人)
住宅ローン
住宅ローン
証券口座
証券口座
クレジットカード
クレジットカード
電子マネー
電子マネー
ポイントカード
ポイントカード
確定拠出年金
確定拠出年金

2017年より、中小事業者向けのオンラインレンディングサービス「LENDY」を提供しています。「LENDY」は、事業で利用しているオンラインサービスと連携すると、事業者の情報を自動的に収集・解析し、借入可能額を算出。融資を受けるために事業計画書等の書類を新たに作成していただく必要はなく、オンライン完結で最大500万円の借入枠をご利用いただけます。24時間対応なので事業の営業時間外でのご利用も多く、登録してから借入可能額を確認するまでは5分程度でできることもあり、ご好評をいただいています。

  従来、事業者向けの融資は事業者にとっても銀行にとっても、多大な労力を必要とするものでした。融資を申し込む際には、与信審査に必要となる事業計画書や資金繰り表など大量の書類を作成せねばなりませんし、その後も対面での審査や銀行側の担当者との関係構築など、実際に融資を受けるまでに様々なプロセスを踏まねばなりません。事業者は資金繰りに相当のリソースを割かねばならず、本業だけに集中できない状況でした。銀行も審査から行内稟議・決済などにかかる多大なコストを回収するには、長期かつ高額の融資をメインにせざるを得ず、短期・少額の融資を提供できずにいました。

そこで「LENDY」はAIによって与信審査を自動化し、事業者向け融資にかかるコストを徹底的に排除しました。その結果、500万円以下の少額融資を一年以内という短期の返済期間で提供できるようになったのです。

           

審査に事業計画書は必要なし。データが日々の事業運営を証明

「LENDY」は様々なオンラインサービスと連携し、取得した日々の事業データを独自の機械学習アルゴリズムで自動解析しています。クラウド会計ソフトやEC、銀行、POSレジ、決済サービスからトランザクションデータ(売上げや決済などの取引データ)を取得するほか、飲食店や理美容室の評価サイト、SNSや店舗データベースとも連携し、多角的に事業を評価しています。AIとオンラインサービスを組み合わせることで、低コストかつ信頼度の高い与信審査をおこなえるのです。事業者の方にご用意いただく書類は決算書(個人の場合は確定申告書)のみで、融資のためだけに特別な書類を作成する必要もありません。日々の事業で自動的に溜まるデータを連携するだけで、すぐに融資を受けられるのです。              

機械による評価に応じた融資というと、かつて銀行がおこなっていたスコアリング融資を思い浮かべる方もいるかもしれません。2000年代半ばに盛んだったスコアリング融資は、不良債権が膨らんで失敗に終わりましたが、これは踏み倒すことを前提に虚偽の決算書や事業内容を提出する悪質な利用者が存在したからです。私たちは、このような悪質な利用者を見抜けるよう日々の事業データを大切にしています。ECの売上や銀行の入出金データは、嘘をついたり数字をごまかしたりするのが難しく、KYCの一部となる信頼性の高いデータです。日々の事業データを分析すれば、そもそも返済するつもりがない悪質な利用者と、頑張ったけれども返済できない利用者とを判断できるのです。          

株式会社クレジットエンジン

トランザクションデータはMoneytree LINKと連携して取得。デフォルトデータも自ら構築      

「LENDY」のようなトランザクションレンディング(トランザクションデータに基づく融資)サービスは、海外ではすでに一般に普及しています。日本が遅れをとっていたのは、クラウドサービスが浸透していなかったり、そもそも金融とテクノロジーの両方に詳しい人材がいなかったからです。しかしようやくクラウドサービスも浸透しつつあり、土壌が整ってきました。一方、日本ではトランザクションデータが様々なサービス上に分散しているため、データを一元化する必要がありました。そこで「LENDY」はマネーツリーの「Moneytree LINK」と連携し事業者の同意の下に複数の銀行の入出金データを一括で取得しています。              

国内のトランザクションレンディングにはAmazonやYahoo!、GMOなどプラットフォーム限定のサービスはいくつか存在しますが、すべての事業者が利用できるのは「LENDY」だけ。それを可能にしているのが「Moneytree LINK」なのです。         

データを分析して与信モデルを作成するだけでなく、実際に融資をおこなっているのも私たちの強みです。事業者向けの与信モデルを作るには会計データや日々の事業データを分析するだけでは不十分で、貸し倒れリスクを分析するために教師データとなる実際のデフォルトデータが必要です。このデフォルトデータはまだ世の中に存在しないため、自ら融資をおこなうことでデフォルトデータを得つつ、与信審査の精度を向上させています。与信モデルを作成するスタートアップ企業はいくつかありますが、私たちのようにデフォルトデータと日々の事業データを結びつけているサービスは存在しません。私たちは全く新しい与信モデルを構築しているのです。

             

真面目な中小事業者へ、新たな融資の可能性を広げたい

そもそも私がクレジットエンジンを立ち上げたのは、中小事業者の資金調達を手助けしたいという思いからです。私は銀行で法人向けの融資を担当した後、2011年から一年半ほど仙台のNPOに勤めました。東日本大震災で被災した中小事業者の資金調達を支援する中で、事業自体は良いのに資金を調達できず、店を畳まざるを得ない方々と出会いました。例えば補助金の申請には事業計画書の提出が必要ですが、良い事業をやっている人が、必ずしも事業計画書をうまく書けるわけではありません。結局、資料作りの上手な、いわゆる「お絵描きがうまい人」が融資を受けられ、そうでない人は苦労するという現実に直面したのです。    

この仙台での経験から、真面目に事業をやっている方が資金調達できるような仕組みを作りたい、と強く思うようになりました。その後アメリカでのMBA留学中にトランザクションレンディングサービスの存在を知り、「トランザクションレンディングは日本でも実現できるだろうし、中小事業者への融資可能性を広げられるのではないか」と感じて起業に至りました。         

現在「LENDY」の利用者はeコマース、飲食店の順に多く、他にも小売、美容室、IT系などサービス業の方に多くご利用いただいています。決して融資のための資料作りがうまくなくても、融資のために労力を割かなくても、大切な日々の事業をきちんとおこなっていれば、AIがそれを証明してくれるのです。事業運営に集中できる環境づくりに貢献し、今まで融資を受けられなかった中小事業者に短期・少額融資の新たな可能性を提供できているのが嬉しいです。

株式会社クレジットエンジン

Moneytree LINKとの連携は、検証と実装合わせて1ヶ月程度で完了

トランザクションデータが要となる「LENDY」のサービスは、「Moneytree LINK」なしには成り立ちませんでした。銀行の入出金データはトランザクションデータを見るのに必要不可欠です。自分たちでデータアグリゲーションをおこなうのはコストが大きすぎるので、「LENDY」を始めるにあたって銀行の入出金データを取得できる外部サービスの利用は大前提でした。その中で、法人口座の電子証明書をオンラインで管理・確認できる技術を持っているのはマネーツリーだけ。当初から他の選択肢はなく、「Moneytree LINK」との連携を決めていました。

実際に「Moneytree LINK」と連携してみて驚いたのは、実装までのスピードの速さです。検証・実装合わせて1ヶ月程度という短期間で連携できるのも、API連携のなせる技だと思います。

「LENDY」では多くのサービスとデータ連携することで、より良い利用条件で融資を受けられます。与信というとユーザーデータの最もセンシティブな使い道の一つかと思いますが、お客様側にもメリットがあるため「Moneytree LINK」とのデータ連携に積極的な方がほとんどです。無理なくデータ連携していただいており、お客様からの評判も上々です。

金融機関とオンラインレンディングで提携も

現在「LENDY」はSTORE.JPやクラウドソーシングのランサーズなどのプラットフォームと連携しながらサービスを拡大しています。ゆくゆくは金融機関とも提携して、私たちが培ってきた与信エンジンのモデルをOEM的に提供したり、オンラインレンディングの運用方法やインタフェースなどのノウハウも提供していきたいです。アメリカでJPモルガン・チェースがオンライン融資のオン・デック・キャピタルと提携するなど、すでに海外では銀行がオンラインレンディングをおこなう事例がいくつかありますし、大きな可能性を感じています。

今後は日本でも金融機関とフィンテック起業の協業がますます加速していくはずです。その中で、マネーツリーにはプラットフォームとしての活躍に期待しています。私たち事業者はマネーツリーがユーザーの同意の下で収集したデータを利活用し、ユーザーにメリットを提供していく、というのが理想の形だと考えています。データアグリゲーションの部分はマネーツリーにお任せし、クレジットエンジンとしては、集めたデータをどう分析するか、という部分に注力していければと思います。 

Credit Engine

2016年設立。日本初のオンラインレンディングサービス「LENDY」を2017年1月より提供。「LENDY」は機械学習アルゴリズムを利用することにより審査を自動化し、中小企業や個人事業主の方々が、面倒な各種書類を作成することなく、必要な時にいつでも安心してスピーディーに事業資金を借り入れることができるサービスです。「LENDY」のビジネスモデルは、2017 年度グッドデザイン賞を受賞しています。

クレジットエンジンは、テクノロジーによりこれまでの金融業界の常識を覆し、新たな金融の社会インフラになることを目指しています。

             

レンディ株式会社

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